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2025.08.05 ベピオゲルのニキビへの効果と正しい使い方|副作用や注意点も詳しく解説
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ニキビ治療に悩んでいて皮膚科でベピオゲルを処方されたけれど、「本当に効果があるの?」「副作用が心配」と不安に感じていませんか?
ベピオゲルは過酸化ベンゾイルを主成分とする医療用ニキビ治療薬で、海外では50年以上の使用実績があります。
この記事では、ベピオゲルのニキビに対する効果や副作用、正しい使い方について、皮膚科専門医監修の信頼できる情報をもとに詳しく解説します。
適切な知識を身につけて、安心してニキビ治療を進めていきましょう。
ベピオゲルとはニキビに効果的な治療薬
ベピオゲルは、過酸化ベンゾイルを2.5%配合した白色のゲル状ニキビ治療薬です。
2015年に日本で発売開始され、皮膚科での処方が必要な医療用医薬品として多くのニキビ患者に処方されています。
ベピオゲルの基本情報と特徴
ベピオゲルの有効成分である過酸化ベンゾイルは、海外では50年以上前からニキビ治療に使用されている実績のある成分です。
薬剤耐性菌の報告がないため、長期間使用しても安定した効果が期待できます。
ベピオゲルの製品概要- 有効成分:過酸化ベンゾイル 2.5%
- 剤形:白色のゲル
- 内容量:15g
- 薬価:87.1円/g(2025年4月現在)
- 処方:医師の処方が必要
これらの基本仕様により、ベピオゲルは医療機関でのみ入手可能な処方薬として、適切な医師の指導のもとで安全に使用できます。
ベピオゲルの種類|ゲルとローションの違い
ベピオシリーズには、従来のベピオゲルに加えて2023年に発売されたベピオローションがあります。
ローションタイプはゲルよりもしっとりとした使用感で、塗り広げやすい特徴があります。
製品名 特徴 使用感 ベピオゲル2.5% 基本的なゲル剤 さっぱり ベピオローション2.5% 乳剤性ローション しっとり どちらも同じ有効成分・濃度ですが、肌質や季節、使用感の好みに応じて医師が最適な剤形を選択します。
ベピオゲルのニキビへの効果と作用メカニズム
ベピオゲルは長期使用でも安定した効果が期待できる、国内ニキビ治療のベースとなる薬剤です。
ベピオゲルの2つの作用メカニズム
ベピオゲルは2つの主要な作用メカニズムでニキビに効果を発揮します。
ピーリング作用
過酸化ベンゾイルは皮膚表面の古い角質を除去するピーリング作用があります。
角質を作る細胞の結合を緩めることで、毛穴の詰まりを改善し新しいニキビの形成を防ぎます。
抗菌作用
過酸化ベンゾイルが分解される際に発生する活性酸素(フリーラジカル)が、ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌します。
炎症を起こした赤ニキビの改善に特に有効です。
この2つの作用が相乗効果を発揮することで、既存のニキビ治療と予防を同時に行えるのがベピオゲルの大きな特徴です。
ベピオゲルが効果を示すニキビの種類
ベピオゲルは以下の種類のニキビに効果があります。
これらすべてのタイプに対応できることで、ニキビの進行を根本から防ぎ、新しいニキビの形成も予防します。
効果の発現時期
- 使用開始初期(2週間程度):効果を実感し始める
- 2〜3週間後:毛穴の詰まりの改善、炎症の軽減が見られる
効果を実感するには、最低でも1〜3ヶ月程度はベピオゲルを続けることが推奨されています。
また、効果が出た後も継続することで、ニキビができにくい肌質への改善が期待できます。
ベピオゲルの副作用と対処法
ベピオゲルは効果的なニキビ治療薬ですが、使用初期に副作用が現れることがあります。
ベピオゲルの主な副作用
薬の作用によって一時的に現れる正常な反応で、肌が薬に慣れることで徐々に軽減されます。
刺激症状(多くの方に現れる症状)
- 皮膚剥脱(皮むけ)
- 刺激感・ヒリヒリ感
- 紅斑(赤み)
- 乾燥
これらの症状は使い始めの2週間以内に多く現れ、1ヶ月を過ぎると刺激を感じる頻度は減っていきます。
かぶれ(接触皮膚炎)
約3%(100人中3人程度)の頻度で現れる可能性があります。
以下の症状が現れた場合は、すぐに使用を中止して医師に相談してください。- 強いかゆみ
- ジュクジュクした腫れ
- 広範囲の炎症
- 全身性の過敏反応
これらの症状は薬に対するアレルギー反応の可能性があり、早期の対応が必要です。
適切な対処により多くの場合改善が可能です。
ベピオゲルの副作用が続く期間
個人差はありますが、継続使用により皮膚のバリア機能が改善され、副作用も軽減していくのが一般的な経過です。
副作用の経過目安- 使用開始〜2週間:最も副作用が現れやすい時期
- 2〜4週間:徐々に症状が軽減
- 1ヶ月以降:多くの場合、刺激症状が落ち着く
副作用を軽減する対処法
ベピオゲル使用時に起こりがちな皮膚刺激(赤み・ヒリヒリ感・皮むけ・乾燥)を最小限に抑える実践的な方法は以下のとおりです。
使用量・範囲の調整
- 最初は少量から開始する
- 狭い範囲から徐々に広げる
- 数日かけて肌を薬に慣らす
段階的な使用により、急激な刺激を避けて安全に治療を進めることができます。
適切な保湿
- 使用前後の十分な保湿
- ノンコメドジェニックテスト済み製品を選択
- 低刺激性の保湿剤を使用
保湿により皮膚のバリア機能を維持し、副作用の軽減と治療効果の向上を両立できます。
刺激軽減のコツ
- 保湿後にベピオゲルを塗布
- 刺激が強い場合は一時的に中止
- 症状が続く場合は医師に相談
無理をせず、肌の状態に応じて使用方法を調整することが長期的な治療成功につながります。
ベピオゲルの正しい使い方・塗り方
ベピオゲルの効果を最大限に引き出すには、正しい使用方法を守ることが重要です。
間違った使い方をすると効果が得られないだけでなく、副作用のリスクも高まります。
ベピオゲルの基本的な使用方法
使用頻度と塗布タイミング- 頻度:1日1回
- タイミング:夜、洗顔後
- 朝の処置:洗顔で洗い流す
夜間の使用により、日中の紫外線による刺激を避けながら、薬効を十分に発揮させることができます。
塗布量の目安
顔全体に塗る場合の適切な量は、人差し指の先端から第一関節まで(約0.5g)です。
この量で大人の手のひら2枚分の範囲をカバーできます。
ベピオゲルの塗り方手順
ベピオゲルの正しい塗り方の手順は以下のとおりです。
1.洗顔
ぬるま湯で優しく洗顔し、清潔なタオルで水分を吸い取ります。
スクラブ入り洗顔料は刺激が強いため避けましょう。
清潔な肌に塗布することで、薬剤の浸透を高め、感染のリスクも軽減できます。
2.保湿(必要に応じて)
刺激を軽減するために、薄く保湿剤を塗布してからベピオゲルを使用することもあります。
3.ベピオゲル塗布
- 目の周り、唇、鼻の入り口などの粘膜を避ける
- こすらず優しく薄く伸ばす
- ニキビの周りを含めて広めに塗布
広めの塗布により、目に見えないマイクロコメドにも作用し、新しいニキビの予防効果を高めます。
4.手洗い
塗布後は必ず石鹸で手を洗い、薬剤を洗い流してください。
手に残った薬剤による意図しない脱色や刺激を防ぐことができます。
塗布範囲を段階的に広げる方法
いきなり広範囲に塗ると副作用が起こりやすくなります。
以下の手順で徐々に範囲を広げましょう。段階的塗布スケジュール- 4〜5日目:小さな範囲で薬が合うかチェック
- 〜2週間:顔全体に薄く塗布、刺激がなければ次段階へ
- 〜4週間:量を増やして顔全体に塗布
- それ以降:刺激がなければ通常量で継続
この段階的なアプローチにより、副作用を最小限に抑えながら効果的な治療を行えます。
スキンケア製品の選び方
以下の特徴を持つ製品はベピオゲルとの相性が良く、副作用のリスクを軽減できます。
推奨製品の特徴- ノンコメドジェニックテスト済み
- 低刺激性
- 無香料・無着色
- アルコールフリー
一方で、ベピオゲルを使用中に以下の成分を含む製品を併用すると、肌への刺激を増強し副作用を悪化させる可能性があります。
避けるべき成分
- スクラブ粒子
- 強いピーリング成分
- 刺激の強い香料
- アルコール系成分
これらの成分は単独でも肌に刺激を与えるため、ベピオゲルを使用している期間は控えましょう。
ベピオゲルを使用する際の注意点と保存方法
ベピオゲルを安全に使用するためには、いくつかの重要な注意点があります。
ベピオゲル使用時の重要な注意点
脱色作用と紫外線感受性については、日常生活に影響するため必ず覚えておきましょう。
脱色作用への対策
ベピオゲルには漂白作用があるため、以下の点に注意してください。
- 髪や眉毛:付着しないよう注意
- 衣類:白色のものを選ぶ
- 寝具・タオル:脱色の可能性があるため白色推奨
- カラーリング:衣類の色落ちに注意
過酸化ベンゾイルの強い漂白力により、接触した繊維や毛髪が脱色される可能性があります。
紫外線対策の徹底
ベピオゲルの使用中は皮膚が紫外線に敏感になります。
必須の対策- 日焼け止めの使用(SPF30以上推奨)
- 帽子・日傘の利用
- 長時間の直射日光を避ける
紫外線感受性の高まりにより、通常よりも日焼けしやすく、炎症が強く出る可能性があります。
ベピオゲルの適切な保存方法
ベピオゲルは適切に保存することで薬剤の安定性を保ち、最後まで有効に使用できます。
保存条件- 温度: 25℃以下の涼しい場所
- 湿度: 直射日光を避ける
- 凍結: 絶対に凍らせない
ベピオゲルに含まれる過酸化ベンゾイルは温度や光に敏感で、不適切な保存により薬効が低下する可能性があります。
適切な保存場所
- 冷蔵庫(冷気吹き出し口から離れた場所)
- 室温の涼しい引き出し
- 洗面台下の棚
ベピオゲルの品質を保つためには25℃以下の涼しい場所や冷蔵庫、涼しい引き出しで保存しましょう。
ベピオゲル使用中の妊娠・授乳について
妊娠・授乳期は母体と胎児・乳児への影響を慎重に検討する必要があります。
妊娠中の使用
妊娠中の使用については、治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用可能です。
必ず医師に相談してから使用してください。授乳中の使用
授乳中の使用データは限られているため、医師の判断が必要です。
乳頭・乳房への使用は避けてください。他の薬剤との併用について
併用可能な薬剤- ビタミンC誘導体
- ヒアルロン酸
- セラミド配合品
- 低刺激保湿剤
これらの成分は相互作用が少なく、むしろベピオゲルの副作用軽減に役立つ場合があります。
一方で、以下の成分との併用は刺激の増強や予期しない副作用のリスクがあります。
併用注意の成分
- トレチノイン
- 他のピーリング成分
- 過酸化ベンゾイル以外の抗菌薬
- アルコール系成分
処方された薬以外との併用は、必ず医師に相談してください。
よくある質問|ベピオゲルのニキビ治療に関する疑問
ベピオゲルを使用する患者さんから寄せられる代表的な質問にお答えします。
ベピオゲルでニキビが増える・悪化することはありますか?
使用開始初期に一時的にニキビが増えたように感じることがあります。
これは「好転反応」と呼ばれる現象で、毛穴の詰まりが解消される過程で起こる正常な反応です。好転反応の特徴- 使用開始から2〜4週間以内に発生
- 既存の潜在的なニキビが表面化
- 継続使用により改善される
ただし、以下の場合は医師に相談してください。
- 強い炎症や腫れ
- 広範囲のかぶれ
- 症状が4週間以上続く
これらの症状は好転反応を超えた異常な反応の可能性があります。
ベピオゲルはニキビ跡にも効果がありますか?
ベピオゲルは主に活動性ニキビの治療薬であり、既にできてしまったニキビ跡への直接的な改善効果は期待できません。
ニキビ跡の種類と対応
ニキビ跡の種類 ベピオゲルの効果 推奨治療法 赤みタイプ 限定的 ビタミンC、レーザー治療 色素沈着 予防効果あり 美白剤、ピーリング クレータータイプ 効果なし ダーマペン、レーザー治療 ただし、新しいニキビの形成を防ぐことで、間接的にニキビ跡の予防には貢献します。
ベピオゲルはいつまで使い続けるべきですか?
継続使用のメリット- 再発防止
- マイクロコメドの治療継続
- ニキビのできにくい肌質の維持
これらの利点により、長期的な肌の健康維持に貢献します。
多くの場合、症状改善後も維持療法として継続使用が推奨されます。
やめどきの判断基準- ニキビの状態が安定している
- 新しいニキビができにくくなった
- 副作用が管理可能な範囲内
自己判断での中止は避け、必ず医師と相談して決めましょう。
市販薬でベピオゲルと同じ成分の薬はありますか?
現在、日本国内では過酸化ベンゾイルを配合した市販薬は販売されていません。
ベピオゲルは医師の処方が必要な処方箋医薬品です。類似作用を持つ市販成分- 硫黄(角質軟化作用)
- サリチル酸(ピーリング作用)
- イソプロピルメチルフェノール(抗菌作用)
ただし、これらの成分はベピオゲルと同等の効果は期待できません。
過酸化ベンゾイルの独特な作用機序により、市販薬では代替が困難です。
ベピオゲルと他のニキビ治療薬は併用できますか?
医師の指示のもとであれば、他のニキビ治療薬との併用は可能です。
よく併用される薬剤- ディフェリンゲル(夜間使用の場合)
- 抗生物質内服薬
- ビタミン剤
- 漢方薬
処方薬同士の組み合わせは医師が適切に判断しますが、市販薬との併用を検討する場合は必ず相談してください。
ベピオゲルの使用を中止するとニキビは再発しますか?
治療中止後のニキビ再発は個人差がありますが、多くの場合、段階的に減薬することで再発リスクを軽減できます。
再発を防ぐポイント- 急な中止を避ける
- 段階的な減薬
- 適切なスキンケアの継続
- 生活習慣の改善
医師と相談しながら、最適な治療プランを立てることが重要です。
個人の肌質やニキビの重症度に応じて、最適な治療終了のタイミングを見極めることができます。
まとめ
ベピオゲルは過酸化ベンゾイルを主成分とする効果的なニキビ治療薬です。
2つの作用機序により、白ニキビから赤ニキビまで幅広いタイプのニキビに効果を示します。使用初期には副作用が現れることがありますが、適切な使用方法を守ることで多くの場合改善可能です。
重要なのは医師の指示に従って継続使用し、疑問や不安があれば必ず相談することです。
正しい知識をもってベピオゲルを使用し、ニキビのない健康な肌を目指しましょう。
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